VR技術が進歩したその世界。ファンタジーの世界をと遊ぶ人達やギャルゲーで疑似恋愛を楽しむ人も居るなか、レシプロエンジンが主力だった当時を再現した世界にロマンを求めた人々が入り込んだ。
ドーバーで零戦が飛び、ベテランパイロット達のユーザーが
マリアナや日本本土で烈風を操り、北アメリカでの南北戦争でF8FとP51が戦う。
あり得ない組み合わせがVRの世界で実現し、遊ぼうとするユーザーは喜んだ。
だが、
「最初がクソゲー」
多くのユーザーがそう喚く。リアルを求めまくったこのゲームはリアル時間で30時間はパイロット教習が必須なのである。パイロットだったもしくはパイロットの人達は個人登録時に航空機免許番号が自動に読み取られて免除や一部除外されたが、大半は素人である。自動車教習と言わんばかりの座学と実習で学ばされ、合格させるまで続けられる。ちなみに合格まで行くと初等航空機VR学科履修証明書が届く。国家が発行する正式な書類で世界共通なのが笑えない。
なお、教習(チュートリアルとも言う)を免除された各国の暇人パイロット達はゲームした後、教官を訪ねた。デジタルに頼りすぎてアナログの航法を忘れたからだ。
なお、教習が終わったユーザーも戦闘機に乗っていざ行かんと喜び勇んで海原に飛んで…迷子続出した。当時の単座戦闘機は航法の不安定から二人以上乗っている航空機が案内していたからだ。
合格後に所属する勢力が選べるが各勢力に所属すると色々なしがらみに捕らわれる。適性検査で使用機種が限られる。行き先が指示される。ただ、機体が壊れたりして整備する費用は勢力が持ってくれるとすべてが悪いわけでもない。
もちろん、フリーのユーザーもいる。勢力に属さず、適当な小島や海岸に最小限の設備を設置して傭兵のように戦う。
いきなり攻撃されて零からやり直しに修理費用全部負担。ただ自由にやれるとあのジブリ映画のごとく空賊をしてたり個人輸送と遊んでいる。
そんな世界で遊ぶ変なロマンを抱えた1人のお話し折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-09-24 18:47:46
3290文字
会話率:57%