この世には人間と魔人族という二つの種族が存在した。それぞれの種族は決して関わろうとせず、長きにわたりそれぞれの文明を築き上げ、戦争というものは一切起きていなかった。
しかし、その安寧は突如として崩されることになる。人間が、魔人族を排除するた
めに、「勇者」という人物を祭り上げ、魔人族領に侵攻してきた。
それに魔人族は、抗ったが人間側の侵攻を食い止めることはできず、滅ぼされてしまった。
魔人王の息子であった少年・ユウ・A・ヴェネーナは、父である魔人王とともに最期まで人間と戦おうとしたが、その 意志は父の言葉によって、曲げられることとなった。
「近いうちに私は人間によって滅ぼされるだろう。しかし、お前には死んではほしくない。もし私がしんだら、お前にはもう一度この魔人族の国を再建し王になってほしい。だから、お前は逃げろーー」
そして父の言葉に従い、逃げた少年は、人間によって殺された父の願いを遂げるために、闘いへと身を投じていくのであったーーーーーー折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-10-03 02:43:00
34281文字
会話率:38%