天と地と冥府とが成す世界。それは魂が循環することで均衡が保たれていた。
死した肉体は魂の石となりて、死者の遺された想いを宿す。その最期のの願いを聞き届け再び天に返すことを還魂と言い、地界にてその役目を果た者を還魂士と呼んだ。天はかつて王
家の始まりたる者にこの還魂の力を授け、役を任じた。その対価として、国を支配することを許した。
魂には色が存在する。白そして黒。負に染まりし魂は二度と天には戻れぬ。これを滅するのもまた還魂である。
時は流れ、長い年月は天とかの者との契りを忘却しようとしていた。
現在、還らぬ魂が増えた世界は負に傾きつつあった。
この苦境を打開する者として、天界から一人の青年がつかわされた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-05-02 12:38:54
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