夢を見た。兄を殺し、弟に処刑台へと送られる、恐ろしい悪夢。
首を落とされた瞬間に目を覚まし、私は思い出した。自分がかつて別の世界で生きていた頃の記憶を。
下位貴族出身の寵姫を母に持ち、第二王子という微妙な立場。しかも記憶喪失前のやらかしで
兄を推す派閥から疎まれているときた。頼れるのは類まれなる顔面力と溢れんばかりのチートだけ!?
王位も過度な愛情も、ただの凡人には重すぎる。そもそも自分は王子ですらない。優しい異母兄弟と殺伐するなんて断固拒否!
全てを捨てて、私は逃げます。
※1話2000字前後です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-26 19:00:00
48028文字
会話率:36%