高崎紀久(きく)は大学時代の親交のある智也(ともや)のことを思い出すたび、不思議に先輩後輩以上の、あたたかい気持ちになる。しかし、縁は遠くなっていた。おなじ学部だった律(りょう)とも、卒業間際に再会して音楽話で心が休まるが、ストイックな律も
それ以来親交はない。ただ、心の友であり続ける二人。
自分の静かな生活を顧みながら、紀久は今年からは悔いのないように生きることを誓うが、あいかわらずの色彩のない生活から自分は出られそうになく、みずから入った檻なのだと気づくのだった・・
少しずつ変わる景色とともに。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-02-25 21:23:35
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