私、結城祐子と母は最初から少しズレていた。
母の理想を体現する幼馴染みがいたから余計にズレた、のか。
この僅かなズレが無ければ、案外仲の良い親子でいられたかも。
母の思惑と違う私を、母は自らの思いに沿った鋳型に押し込めようとした
。
結果私は壊された。心身共に傷付き部活は休止。男女の恋愛に対する深刻な忌避的感情。罵倒されていた将来の夢……そうして母親という存在に対する歪な想い。
ズレた私は、真っ当に生きていくのも難しくなりそうだった。
それでも凡庸な私は日々を生きなければならない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-06-25 08:00:00
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