コージがいうにはそのおんなは宇宙から来たと言った。
果してマッキンリー博士の言っていた惑星の話とそれは符合するではないか。
ぼくの超空間的脳細胞の波長がそこから膨らみ始める …
最終更新:2017-07-12 11:11:38
4304文字
会話率:44%
私はある日以来から林檎が恐ろしくなりました。比喩や何かの言い換えではありません。真っ赤で真ん丸な甘酸っぱい果物の林檎です。切り分けられて配膳された林檎でしたら、多少の嫌悪感はあれど食せます。ただただあの艶めかしく輝く赤い球体だけが私を身震
いさせ、その場に立つことさえままならなくするのです。それはとある絵描きの日記を読んでしまったせいなのです。
今から語るのはまさに日記を読んだその日のことです。私の言葉はすべて真であり、また誇張も欠損もないため、時に退屈で、時に冗長に思われることもあるやもしれません。ですが、どうやら私の経験をお聞きしたいとのことですから、どうか少しばかり清聴していただきたく思います。
ほら、ちょうどそちらのお椅子、どうやら看護師さんが座布団をひいてくださったようですから、そちらへおかけになったらいかがでしょう。何分私の話を聞きたいと仰ってくださる方が多いもので、そういった方々への配慮だそうですよ。ええ、ええ、私はベッドの上からで失礼させていただいているわけですから、御気になさらず座ってください。
それでは少しばかりのお時間を拝借いたします。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2015-09-03 05:17:46
478文字
会話率:0%