「なあ琴葉(ことは)。俺さ、前世の記憶あるんだよなー」
恋人の敏樹(としき)から急に言われて、あたしは戸惑った。でも、前世の正体はその比じゃないくらいヤバくて、恐ろしくて、信じられなかった――若い女性ばかり狙っていた殺人鬼の、生まれ変わり
だなんて。
彼の前世が成仏しきってないせいで、敏樹は時たま衝動的な殺意に襲われかけるとか、なんとか。あいつが誰かを襲う前に、殺人衝動が理性で抑えられなくなる前に、守ってやるんだ。大切な恋人を。手がかりが欲しくて、あたしは敏樹の前世が起こした事件について調べ始めた。
――まさか、敏樹自身が襲撃されるなんて知らずに。
※この小説は『カクヨム』にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-25 19:19:55
2484文字
会話率:50%