輿入れ前になり、冷酷王の国と、その婚約者の国とで戦争になってしまった。
そのため、婚約は反故になったと思われていたのだが……。
婚約は生きており、戦後、冷酷王の元へ嫁いだ年若い王女の運命はどうなってしまうのか?
先頃ま
での敵国の王女として、愛される事もなく、華やかな宮廷で影も薄く、侘しく生きる事になってしまうのだろうか?
だが、戦中、王女の母国で捕虜になっていた者たちは口々に言う。
「敵である私たちに十分な食べ物と、医者と、薬と、服をいつも下さいました。
あんなに優しい姫君はおられません」と。
「春の野の花のような、たおやかで愛らしい姫君です。きっと、陛下もお気に召されます」と。
冷酷王は種族も違う、わたくしの事をお好きになって下さるかしら……?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-15 11:52:21
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