高校2年の夏を迎えた宮前ラダ。彼女は、この夏、自分の水嫌いを克服するため、父、賢太が持っているカヤック譲り受け海へと挑む。
最初は水嫌いを克服するためだったが、次第に熱が入り、遂に松山市沖の興居島へ渡ると言い出す。
父、賢太はモーターサ
イクリストで本も刊行しており、ラダの航海が、自分がバイクに乗り人生が動き出したと同じように、ラダの航海も彼女の人生が動き出す最初の1ページと確信し全面的に協力する。
父賢太の協力を得てラダは興居島へ向けて出発するが、そこでは想像もできないような事に見舞われ、予定のコースを大きく外れることになる。
そこで起きたことは単に水嫌いを克服するため、以上の経験をラダに与える。
翌年、ラダは大阪の専門学校へ行くことになる。前日、ラダは父、賢太の書いた本を借りる。
翌日、母から渡された父の手紙を列車の中で読むラダ。
ここで改めて父、賢太の自分の名前“ラダ”に込めた思いを知り涙を落す。
父の人生の最初を記した本をトランクから取り出し、初めてその1ページを開いた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-03 21:00:00
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