【書籍化決定】2017/8/31、アイリス恋愛F大賞7にて銀賞受賞!
一迅社アイリスNeo様にて2018/5/2、書籍発売です☆
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妹の魔力の暴走で生死の境を彷徨った俺は、今いる世界が乙女ゲーム「宝石のように煌いて」の世界であると思い出した。
そしてラングリース=ジャックベリーたる俺は、悪役令嬢の兄であるという事も。
思い出したからには、破滅の運命を回避しよう。
可愛い妹を悪役令嬢ではなく普通の令嬢になってくれるように側で見守り、そして運悪く破滅しても死ぬことだけは避けれるようにしよう。
悪役令嬢的BADENDは大まかに分けて三種類ある。
1)没落ルート
悪役令嬢たる妹が王子の不興を買い、ヒロインを苛め抜いた事が発覚。
父の不正もばれて爵位剥奪、国外追放になる。
2)自殺ルート
王子に本当に惚れてしまった妹が、婚約お披露目パーティーで王子に破談を言い渡され、ショックで自殺してしまうルート。
このルートの場合、妹だけが死んで、俺や家族はお咎めなし。
3)宝石ルート
『宝石のように煌いて』の目玉とも言えるようなEND。
王子の不興を買った妹は、なんと魔法により宝石の刑に処せられる。
魔法で瞳の色と同じ宝石に変えられてしまうのだ。
妹はそれはそれは美しいピンクトルマリン色の瞳をしている。
宝石に変えられた妹は皆の前で粉々に砕け散り、ピンクの宝石が舞い散る中、王子とヒロインが微笑むスチルは綺麗だった。
だが砕け散るのは俺の妹の命だ。
俺の妹にそんな未来は絶対に許さない。
いま現在の妹は、幼いせいなのか、高飛車で意地悪でテンプレ的な悪役令嬢だったゲームとは似ても似つかない性格だ。
優しくて思いやり深くて、使用人達にも心底愛されているほどに。
当然、俺も妹を大事に思っているのだ。
BADENDは全て避けたいが、最悪、妹が死ぬ2と3のルートを避け、没落後も生活できるように俺は手に職をつけよう。
妹と、家族と生きていけるように。
※ 短編小説『悪役令嬢の兄になりまして』の連載版になります。
※ 2017/4/30 初期スタート年齢を変更しました五歳⇒十歳。
また、年齢変更に伴い、全面改稿中です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-01-16 21:20:18
249176文字
会話率:28%