―――刻まれている、生きる目的を。今捨て去ろう、人の光を―――
目を覚まし、あたりを見渡す。
見えるは己の知らない風景、奇怪な生物、凍った大地に見果てぬ霧。
――常識外の世界。
どうやら記憶を失っている。
ついでに己も見失っていた。
そ
れもそのはず、身体が無かった。
信じられぬが、霧でしかなかった。
曖昧模糊の雲散霧消。
五里霧中の正体不明。
こんな身で何が成せる、なぜ自分はここにいる。
彼は考える。
しかし、分からぬ。
「なら分かるまで前に進もう、それが出来る。この身体なら」
そして、霧となった者は己の正体を求め、動き始めた。
その道は殺戮に濡れていく。
主人公、気体。
異色尽くしの異世界譚、今、その狼煙が上がる。
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遅筆なれどもエタることは無しがモットー折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-08-27 14:00:00
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