異世界系を嫌う少年杜宮(もりみや)ユキトは不毛な死を遂げた後、異世界【リズ・ロノテリア】へと転生することになる。
しかし、【転生使】によって伝えられた転生内容はユキトの想像とかけ離れたものだった。
転生者には使命が与えられるわけでもな
く、手違いでも計らいでもない。リズは死者なら誰でも向かう世界、いわゆる死後の世界であった。
異世界の住人がみな転生者なら尋常でないほど強力な猛者がいてもおかしくないのでは……?
そう思ったユキトが咄嗟に口にした願い事は【現実化】。ステータス値はなく、誰も手に付けられない強者もおらず、なにより努力すれば誰でも強くなれるように、という願いだった。
無事(?)に願いを叶え、種族と魔法に溢れた世界で現実的な第二の人生を、と意気込むユキトだったが、不慮の事件により一日も経たずして国から追われる身に。
その上、ユキトの持つ能力は【対象の能力を一部低減させる"刪手《さんしゅ》"】のみ、それも【触れなければ効果は発動しない】という制限付き。
頼みの綱の現代知識は役に立たず、それどころかリズには電気や機械まで存在する始末。
絶望的な幕開けとなった少年の異世界生活。それは【刻筆師】を名乗る少女の出現により大きく一変する。
これは愛憎半ばする異世界の嫌者たちがチートも災禍も押しのけて、全ての者に手を伸べるため孤軍奮闘する物語。
よくある異世界ものとは違う、異世界でしか出来ないストーリー。知るたびあなたは、再び初めに戻りたくなる。
*本編は2話目から。
*カクヨムにて先行連載中。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-10 22:25:35
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会話率:49%