充分に発達した科学は魔法と区別がつかないというが、科学が充分すぎるほど発達した結果、それまで科学的に解明されたと思われていたものが実は妖精たちが人間社会に混乱を引き起こさないよう流布したカバーストーリーであり、当たり前に魔法が存在していたこ
とが発覚。それがきっかけとなって戦争が起こり、人間は核兵器を用いて、妖精たちは天変地異でそれに対抗した。そうして激化していった戦争だったが、巨大な隕石が衝突したことによって地球の文明は崩壊し、それどころではなくなった。
僅かに生き延びた穏健派の人間と妖精たちは協力して、互いの特性を引き継ぐ両性具有の新人類――花人(カヒト)を創造する。
それからさらに長い時を経て人間も妖精も絶滅してしまった遠い未来。残されたカヒトたちもまた、絶滅の危機に瀕していた。
魔法を使うことができない若きカヒト、アイリスは、仲間たちの足手まといになっていると思い悩みながら暮らしていたが、ある日旧文明の人間が残した兵器、鉄蛇に襲われる――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-04 18:36:53
91862文字
会話率:57%