「益田、昼メシ食いに行こうぜ。」
同期の吉岡が声をかけてくる。
お昼休みまでは残り三分という微妙なタイミング。
ほんの少し周囲の視線がチクチクする。
「いいよ。で、今日は何食うよ?」
俺は少し無理をして、おどけた雰囲気を演出。
仕事場での
キャラクター。
人を笑わせ、場の空気を柔らかくするという本当の俺とは180度違う設定なのだが、何故だかコレが上手くいっている。
最初の頃は苦労したけれど、今ではスイッチを切り替える感じで演じる事が出来るようになっていた。
「そうだなぁ。あ。アレ行こう。駅の反対側にあるボロっちいカレー屋。あの店って実は有名らしいんだ。」
吉岡のその提案に俺も乗っかる。
その店の事は知っていた。
ただ入るのに勇気が必要なタイプの店だったので、今まで一度もトライ出来ずにいたのだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-02-17 03:31:44
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