世界は常軌を逸していた。秩序は崩壊し、国と国との争いは絶え間なく続き、傍観していた中立国さえもテロの標的となり、人々は未来を悲観するばかりだった。
そんな中、テロリスト排除のために開発された超小型監視ロボットNP36。
テロリストの疑いのあ
る人間を監視させ、不穏な動きをすればNP36が政府にデータを送る。データを受け取った政府は現場に駆けつけ容疑者を確保する。
だが排除されたテロリストは氷山の一角でしかなく、テロは無くならない。
頭を抱えた政府は、地球上のすべての人間をNP36に監視させることにした。
だが日々NP36から膨大な件数の報告が上がり続けるばかりで、政府機関だけで対応するのは困難な状況であった。しかも政府の人間がが現場に向かった頃にはテロリストはNP36を破壊し逃亡した後であることも多く、テロリストの拘束率は上がらない。
そこで政府はNP36自身がテロリストを排除出来る機能を追加した。
NP36から送られたデータを見て、政府が排除すべきと判断をし、NP36に殺せと命ずると、NP36は体に仕込まれた毒針で容疑者を殺した。
これは効果的であった。テロリストの疑いのあるもの全てを排除した後も政府はすべての人間をNP36に監視させ続けることにした。
戦争をやめない国のトップとその側近たちはNP36により殺された。武器を作り利益を上げる企業のトップとその側近たちも殺された。麻薬を作る者売る者使う者もまた皆殺された。
当初はテロリスト対策であったが、やがて平和を乱すものを排除し、さらに時を経て現在は人間の行動全てをNP36が監視し小さなルール違反さえも許さないのだ。
そして、罪を犯していなくとも利を生み出さない大人は次々と排除され、回復の見込みのない病に侵された者も排除された。
全てにおいてNP36に監視される世界はこうやって出来上がった。
この世界に暮らす裕太と親友の栄太。栄太はこの社会の仕組みに違和感を感じていた。
裕太の知らぬ間に栄太は怪しい二人の大人と知り合いになっていた。裕太は栄太を理解できず悩みつつも変わらず親友の二人だった。
だがある事件が勃発した事で、裕太は栄太を理解し賛同し、この社会をぶち壊す計画を立てた。
監視されない社会を取り戻そうと、二人VS政府との戦いが始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-01-07 22:29:13
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