例えば、あなたが100円で手に入れたものが200円になったら素晴らしいと思わないだろうか?
例えば、その200円の物が400円になったらどうか…心が躍りはしないだろうか?
例えば商人。需要と供給を考え、200円で仕入れたものを400円で売れ
る場所まで運び売ったとしよう。これは単純な労働であり、運ぶという行いに対する報酬だ。あぁ、労働とはとても素晴らしいものだ。
では…例えばこの200円が勝手に動き、勝手に400円になったとしたらどうだろう?それはこの上ないほどに素晴らしいことだと…そうは思わないだろうか?
この話は英雄の物語ではない。強大な敵に立ち向かう話でもないし、見たことのない財宝を探し求める話でもない。もちろん主人公は最強だなどと寝言を言うつもりも毛頭ない。
これは(将来的に)働きたくない男が、二つの便利で強力な能力を駆使し、ファンタジー世界で不労所得を得ようと画策する話である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-14 19:00:00
44126文字
会話率:29%