メロの唄には不思議な力があった。
彼女が唄うと、空は天使の梯子がかかり、人々を励ます。
聞いたものは元気付けられ、笑顔になる。
その唄をいつも側で聞いていたのは幼なじみのディーンだった。
しかし、二人が暮らす土地に領主の第三王子グランドー
ルがやってきて、二人の穏やかな日々は一変した。
穏やかな少年は、小さな死神と呼ばれる兵士に。
勝ち気な少女は、唄歌いの聖女に。
血を憎む王子は、孤高の王に。
自分を偽り、這いつくばりながらも手に入れたかった願い。それでも彼らは、運命に向かい、嘆き崩れ、戦い抜いた。
これは、歴史に残らない人々の戦記である。
ディーン編…5話。
メロ編……5話。
グランドール編、話数未定。
※短編「聖女の励ましは今も生きている」の長編版になります。本筋は変わっておりません。ラストの変更もありませんが、途中のストーリーやセリフ、設定に変更があります。
※人はなぜ命をかけて戦うのか。理由を知りたくて書いています。普段は躊躇する残酷表現も、悲劇的な展開も、振り切って書いています。故に全体的に暗く痛々しいです。
※寝取られものではありませんが、誤解を招く表現があります。気になる方はご注意ください。
※不定期更新です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-16 20:45:08
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会話率:29%