俺の前世は可能な限り前向きに言って、ゴミだった。
毒親から酷い扱いを受け続け奴隷のように奉仕を強いられた挙句、自分が不治の病であることが判明すると今度は完全にネグレクト。
ろくに病院にもつれて行ってもらえずそのせいで重度の障害が残った。
味
がしなくなったガムのように俺は捨てられたわけだ。
その後、施設に預けられたが今度はその障害が原因でイジメられた。
それでもなんとか生き延びて社会人になったけど、完全に人間不信に陥っていた俺にまともな人間関係は築けなかった。
そして40歳のある日。
なんの変哲もない、とある日。
俺は自殺した。
恨みとかつらみとか妬みとか嫉みとかこの世界にあるあらゆる負の感情を持って死んだ。
もう2度と人間には生まれたくなかった。
すると、神様が願いを聞いてくれたのか。
俺は生まれかわった。
願いを聞いてくれた。
しかし。
願いを聞いてくれたのは神様じゃなかった。
異世界で目覚めた俺は――アンデッドだった。
不本意にも転生してしまった”俺”は、異世界で一人の少女と出会う。
彼女はエンバーミングを生業とする女の子。
ひねくれてマイナス思考で世を恨んでいる俺とは正反対の底抜けに明るい子だった。
”俺”は、彼女と出会い、少しづつ変わっていく。
人間ではなくなった俺が、人間として再生していく物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-14 11:17:25
2460文字
会話率:30%