魔物が蔓延り、ダンジョンが乱立する世界。そこでは、冒険者という職業が出来ていた。そして、その冒険者をサポートし、魔物の情報やダンジョンの情報を統括する組織が出来上がった。
その名前は、冒険者ギルド。全ての冒険者はギルドに登録しないとい
けない。ギルドに所属することで、様々なサポートを受けられ、冒険を円滑なものにする事が出来る。
私、アイリス・ミリアーゼは、十六歳を迎え、長年通った学校を卒業した。そして、目標であったギルド職員に最年少で採用される事になった。騎士団からのスカウトもあったけど、全力で断った。
何故かと言うと…………ギルド職員の給料が、騎士団よりも良いから!
それに、騎士団は自由に出来る時間が少なすぎる。それに比べて、ギルド職員は、ちゃんと休みがあるから、自分の時間を作る事が出来る。これが、選んだ決め手だ。
学校の先生からは、
「戦闘系スキルを、それだけ持っているのにも関わらず、冒険者にならず、騎士団にも入らないのか? 勿体ない」
と言われた。確かに、私は、戦闘系のスキルを多く持っている。でも、だからって、戦うのが好きなわけじゃない。私はもっと平和に暮らしたい!!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-01 07:00:00
396774文字
会話率:60%
「号外です! 号外! 魔王が倒れました!」
勇者の手に魔王が倒れ、人間と魔族の戦争は終わりを迎えた。
そして3年後、勇士の恋人は可愛らしく愛しい受付嬢として、多くの人から羨ましがられていた。
しかし、勇士の恋人は知っていた。実は魔王が死
ななかったということを。
――当り前じゃない。私がその魔王本人だもの!
人間と魔族の長年の葛藤をなくす為に努力する勇者と、そんな彼を力いっぱい助ける元魔王である受付嬢。
しかし、両種族の差はなかなか縮まらない。
数百年間、魔族を拒みながら積もってきた漠然とした恐れ。
自分の利益の為に葛藤を利用し、新たに助長までする権力者。
数百年間、人間を見つめながら蓄積してきた古臭い敵愾心。
愛する者を失った憎悪に燃え上がり、魔王の座に就いて復讐を誓った新しい魔王。
勇者の理想を妨げるあらゆる障害物。元魔王はそのすべてを全身全霊として排除し、彼を助ける為にはできることを全部すると誓った。
――だからお金を出せ。勇者に美味しいものを食べさせてあげないと。
……その過程で欲を出しても、勇者の為だから許してくださいね?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-16 20:16:23
111819文字
会話率:48%