時空仕事人第2のヒロイン中沢美琴。
水戸光圀を桐生の半次と五十人ほどの刺客から守り、富良野でのんびりと過ごして東京に戻ってから二日後。寛政十二年の江戸で伊能忠敬が蝦夷地を測量するために出立しようとしていた前日に、その蝦夷地測量を阻止しよう
とした四十人の刺客から伊能忠敬を守り。天空に戻った三日後から、安永五年、エレキテルを完成させたかの有名な平賀源内を、その研究を奪おうとした六十人からの刺客から守った。
そして慶応三年(一八六七)の江戸へ飛ばされ、七月十一日の夕方に京都の三条大橋のたもとで新選組の井上源三郎を四十人もの倒幕浪士から守ったばかりだ。それも、Xに盲目の座頭に仕立て上げられて―。
たしかにこのところXからの依頼でのんびりとできない日々が続いていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-08 22:42:16
64255文字
会話率:39%
天空40年(西暦2058年)秋。
入門して3年目に尚武道場を卒業した中沢美琴(なかざわみこと)は、Xの説得により6人目の時空仕事人となった。剣の腕は、5、6年前の尚武章博を凌ぐほどで、天上人やXからも尚武と美由を別格とすれば、仕事人中第一
人者といわれるほどだ。
美琴の初めての仕事は、元禄10年にタイムスリップして、水戸徳川藩第二代藩主・水戸光圀(みとみつくに)を40人におよぶ一橋家から差し向けられた刺客から守る仕事だ。
陽気な渡世人の桐生の半次との出会い。半次とはいった混浴風呂。同じ部屋で半次と布団を並べて寝る美琴。6両2分も稼いだ初めてのサイコロ博打。街道でいきなりもろ肌脱いでブラジャー姿になり、桶(おけ)を焚(た)き木(ぎ)で叩いて踊りながら民謡の〈八木本節(やぎもとぶし)〉を唄う美琴など。やることなすことが若さにまかせた型破りの女。
小さなことは気にもしない天真爛漫な中沢美琴と桐生の半次の水戸街道珍道中。
時空仕事人のスピンオフ「美琴と光圀」の巻
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-04-23 23:12:43
54584文字
会話率:39%
毎日のように優斗伸吾(ゆうとしんご)と水島正一(みずしましょういち)、立花和真(たちばなかずとも)の3人の弟子たちを鍛える尚武章博と妻の美由。時空仕事人としての任務と3人の稽古に明け暮れ、ゆっくり休む間もない。
天空38年(西暦2056
年)。尚武は49才。美由は39才になっていた。
ふたりが鍛える3人の弟子たちは、時空仕事人となったころの尚武や美由を凌ぐほどの剣士に成長した。だれが次代の仕事人となっても、立派に任務を遂行できると尚武も美由も確信している。
そんな時、天上人とXが協議の上、仕事人、妻と母親、弟子の指導と、毎日忙しい美由に休暇を与える。
美由がタイムアウトしたのは1615年(元和(げんな)元年)の山城(やましろ)の国だった。
そこで出会ったのは、大坂夏の陣で夫・豊臣秀頼の大阪城が攻め落とされ、間一髪のところを数人の家来によって助け出された、二代将軍・徳川秀忠の娘・千姫だった。
優斗伸吾と水島正一、立花和真。3人の弟子のうち、だれが次代の仕事人となるのか。推挙を任された尚武は頭を悩ます。
尚武の苦悩と、美由と千姫の東海道珍道中を描く「時空仕事人・尚武美由と千姫」
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-04-09 01:12:03
103427文字
会話率:41%