僕はずっと探していた。突如消えた母の存在を。
僕はずっと嫌っていた。何も言わない父の存在を。
燃え盛る炎が、深紅の薔薇が、やつれた指にしゃがれた声が。否応なく僕の顔を上げさせる。
知りたくなくて、見たくなくて。だけど解き明かしたいものがあ
る。
僕達の、『家族』という名の真実を、探さなくてはいけないのだ。
僕は“探し物探偵”なのだから。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-03-24 20:00:00
66878文字
会話率:37%
僕は“探し物探偵”神咲歩。今日は愛らしい双子の少女の招待を受けて、彼女達のおうちである児童養護施設<陽だまりの庭>へとやって来た。
温かな家族の形を眺めながら始めたかくれんぼ。まさかその最中に幼い命が永遠に隠されてしまうとは。
託された依
頼、不可解な言葉。
――断ち切られた命の真実は、血の臭いの中に存在する。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-10-22 19:00:00
62488文字
会話率:43%
僕は"探し物探偵"神咲歩。もう二度と会うことはないと思っていた人と偶然の再会を果たした。稲森透子――初恋の人。
ただの友達としてこれからの関係が始まると思っていたのに、彼女の婚約者の死を見届けることになるなんて。……三条
さんが死ぬなんて。
華やぐ感情の隅に渦を巻く、混濁する狂気と理性。過去と現在が入り交じり、僕は立つべき場所が分からない。
――なぁ、僕は何を見つければいい?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-05-29 19:00:00
61777文字
会話率:35%