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剣術学院の落第剣士に『一億年ボタン』を持ちかけた謎の老人がいた。押せば一億年修業したのと同じ効果が得られる魔法のボタン。落第剣士が疑い半
分でボタンを押した次の瞬間、その身に絶大な力が宿るのを感じた。彼は喜んで何度もボタンを押した――押してしまった。
それは呪われたボタンだ。押した瞬間、彼は一億年という『時の牢獄』に閉じ込められた。最初の百年はこれ幸いと修業に明け暮れた。千年が経ち、自分が何故剣を振っているのかわからなくなった。一万年が経つ頃には、考えることをやめていた。
一億年後、廃人同然となった彼は、ついに現実世界へ戻った。同時にこれまで過ごした一億年の記憶は忘却され、残ったのは研ぎ澄まされた剣技のみ。「ボタンを押しただけで強くなれる!?」そう勘違いした彼は何度も一億年ボタンを押し、そのたびに愚かな自分を呪った。そうして地獄の一億年をループし続ける中で、彼はあることに気が付いた。
「この世界さえ斬れれば、ここから抜け出せるんじゃないか……?」
数億年後、時の牢獄を『斬った』彼は一億年のループから脱出した。
これは剣術学院の落第剣士が極限の剣技で汚名を晴らし、世界にその名を轟かせる物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-26 11:49:57
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会話率:39%