「異界」それは、魔法あり、魔物ありの世界。一般人の住む世界と繋がっており、そこでは吸血鬼や鬼族といった伝説上の存在が暮らしていた。
深い森の奥に住む龍族の少年、夜叉堂龍弥もまたその一人である。
小さい頃幼馴染と別れた彼は、十二歳にして彼女と
の約束を守るために旅に出ていた。
「異界」に住む者達、通称「異人」用のクラスが一般人の世界に作られることを聞いた龍弥は、そこで幼馴染と運命の再会を果たす。
「……何してるの……?」
「あ、いや、これは、その…………」
両手で痴漢をしながらという、最悪の再開で。
お互いそのことは水に流し、「異人」用のクラスに通うようになった龍弥達。しかし、そのクラスはあまりにも特殊過ぎた。
ーーそして、それからおよそ半年間龍弥達はそのクラスで過ごし……
再会の余韻に浸り続ける彼らの前に現れたのは、穴のない仮面を着けた、不気味な燕尾服の男。
その邂逅によって龍弥は、幼馴染に大切な秘密を明かすことを決意してーー。その決断が、二人、いや世界全てを変えて行く……。「昔、幼馴染を守り切れなかった格好悪い男がいたんだ。今度こそ、今回こそ俺は英梨を守る……! そのためなら、たとえこの体がどうなろうとも本望だ!」『戦闘嫌いの狂戦士』と呼ばれる夜叉堂龍弥は、幼馴染英梨を守るために、死力を尽くす。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-06 15:37:27
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