魔王が魔物による侵略を始めて長年、多くの者が魔王を討ち倒すべく立ち上がり、死んでいった。それを支援する魔王討伐軍学校『アカデミー』には世界各地から数多くの有望なる若者達が集い、彼らは世界の平和を目指し勉学に勤しむ。
…しかしそれは偽りの
闘志。入学理由は親の意向、自らの名声、保身、金のため…彼らの中に純粋な正義を持って立ち上がった者などほんの一握りだ。
青髪の少年、レムリアド・ベルフラントもまたその一人である。彼は両親の期待に従い、溜め息携え歩き出した。
『世界を平和へと導く者の助けとなる』
その予言が全ての始まりだ。これは、平々凡々な平民の少年が魔王討伐軍学校へと入学し、獲得と喪失を繰り返し自分を探す物語。
…迫害と嘲笑の嵐、利己主義の暴走、繰り返される差別…救いなど在りはしない。分かっていた。見なかっただけだ。馬鹿だったのだ。
抱えられるだけ抱えても、ただ1人、…たった1人の愛する人も救えない。
彼女は何者だったのか…。人とは何を以て人なのだ…。果たしてそれを決めるのは他者か自身か…。
これは愚かな人の子と、神の使命を負わされた悲しき少女が織り成す、穢れた地獄の大惨劇。
※この作品は、ノクターンノベルズにて完結済みの『魔王討伐軍学校に無理やり入学させられた平民』と関連しております。どちらから読んで頂いても問題はありませんので、好きな順にお楽しみください。
ただし、過激・鬱などの描写が苦手な方は無印の方からお読み頂くことを推奨します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-30 18:00:00
851413文字
会話率:48%