かつて世界は蛇だった。
過去から未来に至るまで、蛇の輪の中で世界が回っていた。
しかし、
───何の理由があってか、蛇と人間が世界を二つに分かつ時代が 訪れた。
蛇は新たなる覇者である人間を恐れ、人間は世界だった蛇を恐れた 。
両
者とも譲らぬ攻防の末、ようやく停戦協定が結ばれ、安寧の世が 始まる。
だが、その裏では人間による蛇駆逐、蛇による人間駆逐の計画が進 んでおり、不穏な空気が流れ続けていた。
これは、人間と共存する道を選びたかった蛇の話。 これは、蛇を消し去るためだけに生きていた人間の話。
そして、どちらでもない怪物になってしまったものの話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-04-24 13:53:52
5124文字
会話率:40%