『私』はとある施設で多くの兄弟たちとともに生まれた。
『管理者』と呼ばれる存在により徹底された環境と栄養を与えられ、私たちは外の世界を知らぬまま成長をしていく。
成長の過程で何度か『管理者』により選別されていき、最後に『私』を含む一握
りのものたちが残された。
ある日、最後に残った『私』たちは『管理者』により施設の外で生きることを告げられる。
初めて知る外の世界だったが、『私』たちは自分でも驚いたことにその環境に順応していった。
『管理者』の監視は続いていたが、私たちは半ば野生児と化しながらも自由な生活を楽しんでいた。
兄弟たちと何気ない日常を送っていた『私』はある異変に気が付く。
なぜか兄弟たちはその異変に気が付く様子がない。
『私』だけがおかしいのか?
この異変は何なのだろう?
――やがて、その異変は徐々に『私』たちの日常に侵食していき、気付いた時には、もう、全てが手遅れだった――
SF調ホラー短編作です。
侵食されていく恐怖に、少しでもヒヤリとしていただけたら幸いです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-08-06 15:04:46
3017文字
会話率:14%