空原みみ子は年金を下ろした帰り道で、住宅街の坂に上に白い龍を見た。
龍に誘われるように他家の敷地に踏み込み、大岩の門から行った異世界は、滅亡の危機に瀕していた。
空は厚い雲に覆われ、地は荒れ果てていたが、いくつかの樹木が生きていた。
植物
を育てるのが得意なみみ子が幹に手を当てると、頭の中にイメージが流れ込んできた。異世界の知的生命体は樹形植物だったのだ。異世界の樹木と意思疎通ができたみみ子は、凭浜高司(よりはまのたかつかさ)と名告る大樹に頼まれる。
千年に渡って大地を覆っている雲を散らし、青い空を取り戻して欲しい。
みみ子は、手助けすると約束した。その場の勢いだ。
だが、世間は侮れない。ババアが<異世界>なんて言っても、真面に相手にされない。ボケ老人とは思われたくない。詐欺師呼ばわりもごめんだ。
みみ子は、世間からあぶれた老人たちを誘って、異世界の復興を目指す。
たとえ世間からは、イカレタ老人集団だと後ろ指を刺されようと。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-22 09:54:00
243264文字
会話率:22%
シロガネは右腕に死神を宿す少年剣士。野薔薇ノ王国の王宮戦士として、王国の平和と民の笑顔のために日夜闘い続けていた。その夜、激務に疲れ眠っていると、突如ダイナミック訪問してきた大魔道士ラズ老師にたたき起こされる。裸同然で連れて行かれたのは魔道
士達の総本山、地下大実験場タルタロス。年寄りだらけの大実験場ではその日、術者の睡眠&失神時に自動起動して術者を護る、魔法疑似生命体『勝手に守護者(オートマ・ガーディアン)』の能力実験をしていた。このため被験者には睡眠薬を飲んで眠らせたが、実験が終わっても一向に目覚めない。被験者の無事を確かめようにも、勝手に守護者(オートマ・ガーディアン)がその名の通り、勝手に被験者を護るため、魔道士達では誰も近づけなかった。このままでは被験者の命にかかわるだろう。シロガネの任務は、守護者を倒し、一分以内に超万能回復薬『御神酒(ソーマ)』を被験者に飲ませて目覚めさせること。しかしシロガネは裸同然で連れて来られたため、装備は現地調達するしかない。強力な武器はあったが、サイズの合う服が無かった。まさか腰布1枚で挑むはめになろうとは…。死神腕を使えば戦いを有利に運べるが、ここにも問題が。封印を解くのは簡単だが、再封印には時間がかかる。力を解放した死神腕は触れるだけで命を奪ってしまう。そして左腕だけで御神酒(ソーマ)を飲ませるのは不可能。つまり、一度死神の封印を解いてしまえば、見ず知らずの被験者に、口移しで飲ませるしか方法がないのだっ! なんてこったい! こんなことならあの時に、ファーストキスを捧げておくんだった! こうして大実験場タルタロスで壮絶な死闘が始まる。はたしてシロガネは守護者を倒せるのか? そしてシロガネは、被験者の命を、ファーストキスを、己の人としての尊厳を、護りぬくことが出来るのだろうか? その結末は本編でっ!(pixivに重複投稿しています)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-11-03 01:03:28
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会話率:49%