看板短編企画参加作品。
「今日も頑張らなくちゃね、お兄ちゃんが元に戻るようにね」
私は台所から出る。ここはおとぎの国。そして外に出る。振り向けば誰も来ない廃れてしまった、私の大切なの家。エメラルドの木漏れ日がきらきら、側に立つレバノ
ン杉にはウネウネと太い蔦が絡まり、甘い香りの薄紫色の房が、幾つも下がっているの。
「天地満ちる精霊達。あちらとこちらを繋ぎなさい」
呪文を唱える。幹に浮かび上がる入り口。異世界に繋がる扉をギイィと開けた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-08 21:21:14
2999文字
会話率:33%