王国の隠されたる罪。
魔との戦いに身を捧げた青年は、偽証によって陥れられ、地下牢に幽閉される。
それから月日は流れ、そこに知りたがりの姫君がたどりついた。
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最終更新:2022-01-11 19:35:03
8000文字
会話率:22%
一鍬ごとに鍬が根元までサクッと入る。表層の固さとは大違いだ。どのあたりから柔らかくなったのか、きっと雅が最初に掘ったあたりからではなかろうか。でなければ、徳治や為吉の掘る速さが異常であった。二十歳をすぎて間もない雅でさえ腰の深さまで掘るのに
汗みずくになったというのに、少し道を手入れする僅かの間に徳治は胸まで掘ってしまった。為吉にいたっては、雅が草刈りをする間に背丈を遥かに越えるまで掘り進んでいる。別に体格が優れているわけでもなく、力が強いわけでもないのにである。
『ぼちぼちだな……』
五寸、五寸と二度掘った雅は、さらに鍬が吸い込まれることに嫌な予感を感じている。
鬼灯は、枯れてなお中に実を留めることから、牢獄を意味し、その形から人魂を連想させる……
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-08-27 13:21:21
6784文字
会話率:26%
いつの日からか、特殊な能力を持つ人間が稀にうまれるようになった。
そんななか、能力を持たない少年、一(はじめ)は、レジスタンスの一員として、武器の修理をしながら幼なじみの少女、一葉と暮らしていた。
一方、能力を持つ少年、東雲巴は強大な
力と、それを使用するたびに失われる記憶に翻弄されながらも軍人としてレジスタンスを討伐する日々を送っていた。
一と巴。今までまったく違う人生を歩んできた二人。しかし、二人が再会する時、止まっていた世界は動き出す。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2011-08-16 02:22:23
2054文字
会話率:46%