『経済産業省はトイレットペーパーについて、各ご家庭で一ヶ月分程度の備蓄を行うことを推奨しています。その理由は、トイレットペーパーがほぼ全量を国内で生産されており、そのうち四割程度が静岡県で生産されているため、今後発生が予想される南海トラフを
震源とした地震による津波で被災した場合に、深刻なトイレットペーパー不足になることが予測されているからだそうです』
日頃から災害用の備蓄に気を付けている主人公であったが、テレビから流れてきたこの情報は初めて聞くものであった。早速必要な量の計算を始めてみる。新型コロナが流行した時に、両親や妹から催促があってストックがギリギリになった経験のあった主人公は、その分も含めて大量のトイレットペーパーをストックする。
ある日南海トラフで地震が発生し、想定通り静岡周辺の被災により世の中からトイレットペーパーが消えてなくなる。ストックに余裕のある主人公は、テレビやネットでトイレットペーパーに関する諸々の事象を見ながら、余裕をもって日常を送る。
世間が元の生活を取り戻したある日、主人公はあることに気が付く。七十パーセントの確率で起こる南海トラフ地震に備えていた自分が、七十パーセントの確率で起こる首都直下地震のエリアに暮らしているのは、ロジックが合っていないと。リスクを回避するためにどうすべきかを悩みながら、ある結論に達し行動に移す。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-31 15:16:56
100074文字
会話率:24%
思い出の美味しい! 大事にしたいなって思ってます。
最終更新:2023-02-07 06:00:00
923文字
会話率:5%
時は近未来。量子コンピューターが実用化し、光スイッチング技術の確立によってフォトニックネットワークが各ご家庭を覆いつくす。
観光旅行など稚気じみた夢。
疲れた身体を引きずるその男は、今日も一人、インドアの安楽を選び、電脳領域での仮想自
然体験を楽しんでいた。
……はず、だった。
(全七章構成です。)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-11-22 10:28:37
160238文字
会話率:21%