【別府忠夫】は何かを選ぶとき、常に「間違っているほう」を選ぶ。本人もそれに気づいてはいるが、なぜか正しい道を歩くことができない。家族からも友人からも、「なんでそっち行くんだよ」と笑われ、次第に誰とも話さなくなっていく。
そんな彼が50代のあ
る日、古本屋で見つけた一冊の本――それは、自分の名前が書かれた古い教科書だった。ページの間には、かつての自分の落書きがあり、そこには「未来の俺へ」との書き込みがあった。
彼はあらためて、自分の「間違いの選択」の軌跡をたどっていく。そこに「誤り」ではなく「意思」があったのかもしれない――と語り手は思い始める。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-19 10:33:21
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会話率:21%