第二王子ダイアンスは、幼い頃から母に、「ミス・ルトゥ」を大事にするよう教えられてきた。
ミス・ルトゥは幸福に導く存在として、邪険に扱ってはいけないとする教訓があり、彼は婚約者である隣国の第三王女、ヴィスカーナを己のミス・ルトゥとして、大切に
接し過ごしていく。
しかし学園に入学した彼は、男爵令嬢であるアルバミリスと出会い、次第に彼女へ惹かれていく。
学園生活も後半になれば、ダイアンスの心は移ろい、ヴィスカーナを邪魔な存在として考えるようになっていった。
そんな中、隣国ではヴィスカーナの母、王妃が病に倒れ、帰らぬ人となってしまう。
この出来事はダイアンスが裏で糸を引いていて、ヴィスカーナが隣国へ帰国せざるを得ないよう、画策されたものだった。
抵抗しながらも祖国の決定には逆らえず、学園卒業を待たずに帰国するヴィスカーナ。
邪魔者が居なくなり、喜々として王城にアルバミリスを呼び出すと、ダイアンスは彼女から書類を突きつけられる。
それはダイアンスが派遣した医者が、隣国の王妃殺害に関与した証拠書類だった。
「もう我慢するのはやめだ。……次は誰にも渡さない」
※創作上の病気の話が出てきます。あくまで創作上ですので、物語としてお考え頂ければ幸いです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-07 14:32:29
18892文字
会話率:25%