――戦争が終わっても世の中は変わらなかった。
いや、むしろ世の中はどんどんむしろひどくなっていく。
そんな黄昏の国に、二人の男がいた。
戦争の時代を、互いを戦友(とも)として戦い抜いた二人の男。
彼らの運命は、終戦とともに分かたれる。
武器
を捨てた男、武器を捨てなかった男。
捨てなかった男はギャングとなり、犯罪の限りを尽くす。
そして街中での銃撃戦。武器を捨てた男の娘と妻が、それに巻き込まれた。
銃弾が、無慈悲な銃弾が、妻を娘をズタズタに引き裂いた。
武器を捨てた男は再び銃を手に取り、かつての戦友たちに戦いを挑む。
――友よ。かけがえの無い戦友よ。
許されざる者よ。
我が復讐の歌を聞くが良い。
※本作は『Arcadia』にも投稿しています
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-08-20 21:05:17
12277文字
会話率:34%