新入社員として入った会社を半年で辞め、フリーターになった私は、web小説の書籍化で小説家としてデビューし、人生大逆転――するはずだった。
しかし編集さんから告げられたのは、一巻打ち切りの無情な宣告。
デビューと同時にバイトも辞めたため、今の
私はニートまっしぐら。
人生行き止まり、お先真っ暗な状況の中、昔のことを思い出して落ち込む私だけど、再びかかってきた編集さんからの電話で自体は急展開。
『石油会社の社長が、十万部買ってくれるそうです!』
十万部の増刷で続刊も決定、コミカライズまで決まった私の人生は、一瞬にしてバラ色となる。
そんな中、都内で行われたとあるイベントに参加した私の前に、大量のボディーガードを引き連れ、ド派手なドレスを着た女性が現れた。
そう、彼女こそ私の本を十万部買ってくれた張本人、ハンドルネーム『石油女王』さんだったのだ!
彼女は私の前にやってくると、両手で手を掴み、「作品だけじゃなく作者もこんなに美しいだなんて、尊すぎてしんどい……」と限界オタクのような言葉を発しながら崩れ落ちるのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-26 16:46:44
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