「雨音に響く塞翁が馬」は、記者として倒産企業を取材してきた著者の視点を通し、「人生における幸不幸は予測できない」という古諺の真理を描くルポルタージュ的随想です。物語は、雨の日に出かける気持ちが曇るなか、ふと手に取った青島幸雄の小説に心を重ね
るところから始まります。そこから静岡県内で相次いだ企業倒産の記憶へと展開します。八百屋から世界企業に成長しながら破綻したヤオハン、被害者1532名を出した富士ハウス、老舗ホテル大野屋の哀愁、そしてコロナ禍で小さく消えたカネキ水産――それぞれの崩壊の陰には、経営の驕りや制度の甘さ、時代の変化がありました。それでも倒産を乗り越えようとする人々や、新たな道を歩む企業の姿には、再生への光が差し込みます。人間万事塞翁が馬――雨上がりの空に虹がかかるように、人生は巡り、再び歩み出す勇気を教えてくれる作品です。
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最終更新:2025-05-31 22:02:55
1355文字
会話率:19%
新型コロナウイルスが炙り出したのは、地方経済と企業活動の限界点だった。ベテラン調査員廣井悟は、企業調査のエキスパートとして言い知れぬ不安を感じながらも企業調査に取り組む。ある時、一人の経営者との出会いにより、閉そくした企業活動と地方経済再生
の突破口を発見することになる。倒産は企業の死ではない。そこから始まるドラマがある。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-07 14:58:10
6893文字
会話率:78%
大量倒産の後にまちうけるのはどんな世界だろうか。
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最終更新:2020-08-05 07:48:03
368文字
会話率:0%