屋敷のバルコニーから落ちて生死の境を彷徨う中、俺は記憶を取り戻した。
即ち、異世界召喚された友人に巻き込まれ、紆余曲折を経て友人とはまた別の世界にTS転生を果たした現代日本の男子高校生であったことを。
残念なことに――。
五歳の幼女
になっても厨二病は治らなかった。
さらに、そこは剣と魔法の世界。
精霊や妖精、魔獣や魔物、その他諸々の現代日本では“想像”とされたものが当たり前に存在していた。――厨二病と言っても、そういうのも好きと言った軽度の病状が、『楽しまなきゃやってられっか!!』と、悪化(?)した瞬間である。
最悪な要因は重なる。
公爵家の長女として生まれた俺には、強い魔力特性があったのである。
それこそ、五歳にして宮廷魔術師を上回るほどの、魔力量という天賦の才が。
――これは、余りにも不条理な死に方をした俺が、公爵令嬢と言うことも何もかにも無視して、厨二病を悪化させながら転生チートを楽しむ物語である……はずが、どうやらチート出来ないらしい。
いいだろう、神様。どこまでも不条理な現実だって言うなら、何が何でも乗り越えてやる。逆境全部、ぶち破ってやる。覚悟しとけ?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-09-05 00:00:00
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会話率:30%