非の打ちどころのない婚約者を持つ高貴な姫君が恋したのは、敵方の青年。
飛鳥時代ファンタジー。悲恋です。
「なにが違うのよ、いくじなし。わたしを攫うんなら、最後まで攫い通してよ!」
──知らず、敵方の青年に恋をしてしまった高貴な姫君の絶望
。
「なぜ……放棄するっ! 沙枝が欲しいんだろ? 好きなんだろっ? 彼女を守ったのは、おまえじゃないか!」
──最愛の姫君の心を奪った恋敵から、彼女を譲られた婚約者の憤り。
「おれだって…幸せにしてやりたかった…」
想いは桜吹雪と共に散り、そして──想いの結晶が悲恋を救う──。
(2000年頃 執筆)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-25 14:00:00
29044文字
会話率:46%