――世の中は平和である。
―たとえ村の集落が魔物に襲われようとも
―悪徳領主が領民から税を搾り取ろうとも
―川が氾濫し、橋が壊れ、家が壊れようとも
―人さらいにあい、奴隷として売られようとも
それは少数であり、昔の大戦などを考えれば
平和である。
―国どうしの戦争もなく
―大災害が起き、いくつもの人命が呑み込まれることもない
そうして、世界は回っていく。大陸は回ってく。時間は過ぎていく。
そう、この大陸に住む知性ある者たちはずっと続くと思っていた。
たとえ世界の本質が腐っていようとも、それを見ようとしない人間からすれば関係のないことだ。
世界の平和を守るなんて大げさなことはない。
目の前の平和を守れればそれでいい。
これはそんな自分勝手で、それでいて現実的な綺麗事を求める青年と、その周りの人々との物語。
※他の話で知っている方もいるとは思いますが、ここで簡単にこの話の説明をさせていただきたいと思います。
この物語は五人の著者によって共有された世界観を舞台としています。
そのため作品ごとに別の主人公がそれぞれの物語を紡いでいくということです。
しかし、舞台は同じ世界の同じ時間軸に存在しているわけですから、どこかで出会うこともあるかもしれません。
では、そんな五つの物語の内の一つ。
私の主人公のプロローグをお楽しみください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-06-22 09:00:00
2282文字
会話率:43%