ショートショートです。お爺さんは罠に掛かった一羽の鶴を助けてやりました。その日の夜、お爺さんの家に美しい色白の娘がやってきました。娘はその老夫婦の家で暮らすようになり、部屋に閉じ籠ると、一日中 機(はた)を織るようになりました。夜遅くなって
も出て来ません。次の日も次の日も機(はた)を織り続けました。その娘が織った鶴の織物は高く売れました。
三カ月が過ぎた頃、厚生労働省労働基準監督署の男がやってきました。「御社の業務体制は、労働基準法に違反している可能性があります」と言うのです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-08 13:03:28
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会話率:39%