『秋庭家』という大企業を占める家の長男として生まれた秋庭秀真(あきば しゅうま)は、表の世界よりも裏の世界で輝く男だった。秋庭の者たちは、昔から武器を売ることをしてきた。戦中だろうが戦後だろうが、表で真っ当な仕事をしながらも裏では武器などを
売っていた。そんな秋庭の武器商人としての血が色濃く残った秀真は、幼い頃から裏の世界を歩んできた。
十七歳になった秀真は、自らの私兵とともに大型フェリーで商品を売りに海を渡っていたところ、突然大津波に襲われてしまう。
そして、彼が気づくとそこは全く別の世界だった。
異界には、地球にない〝魔法〟というものが存在している。だが、地球にある〝銃〟というものは異界にはなかった。そんな世界に、秀真は彼とともに異界に飛ばされた商品を意図してではないが持ち込んでしまう。
秀真はともに飛ばされた私兵の舞花・涼花を連れて、〝銃〟を売ることにする。
また、彼は魔法を利用して更なる高みへと登ろうとも考え出す。
彼が、武器を売ればそれが争いの火種となるのは必然だろう。
秀真は、異界にそんな火種を撒き散らすことを心から望んでいる。
そして、彼の仲間に異界の者たちも少しずつ加わっていく。
これは、一人の青年が異界で生きながら火種を巻いていく物語である折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-03-03 18:00:00
8904文字
会話率:29%