「俺を呼び出すとは良い度胸だ……なんだ、子ども、か? ……まあいいだろう。お前の願いを一つ叶えてやろう。さあ、願いはなんだ?」
美しい顔なのに妙に歪な笑顔で目の前の男、悪魔がそう言った。
私はいつもこの部屋の中にいる。
この部屋はただ
の物置。
私はここに一人でいる。
昔は、誰かの温かい腕の中にいて、明るい部屋にいたような気もするが、もう、あまり覚えていない。
それが今日の朝、驚いた。
隣に熊がいた。
そう、熊。
子ども向けの丸い可愛い熊ではなく、いわゆるガチな熊。
『メリークリスマス! このぬいぐるみはあなたのともだちよ!』
クリスマスの朝、ひとりぼっちは熊と二人になり、嬉しくて踊ったら、それは偶然に悪魔を呼び出す儀式になってしまい……。
寂しいのは、誰だった?
冬童話2023参加作品です。
少ししんみり、でもほっこりしていただけたら嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
m(_ _)m
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-25 13:14:07
6863文字
会話率:33%