五十五歳の男。三十二年振りに、メキシコのパレンケ遺跡を娘と訪れた。かつて、その男は恋人との葛藤
に疲れ、この遺跡で自死しようと思っていた。しかし、死ぬことができず、恋人に精一杯の思いを伝えよ
うと決意して、この遺跡を去った。その後、恋人と結
ばれたが、娘が成人した時、妻は急死してしまった。今回、娘と共に、思い出のパレンケ遺跡を訪れ、男は感傷に浸る。娘はこの旅行の後、結婚する相手
を紹介すると言い、この男は子会社に出向することを承諾しようとしている。メキシコのマヤの遺跡で、
パレンケは独特の優雅な佇まいを見せる美しい遺跡である。その遺跡を背景にした、この物語を可能な限り情感豊かに仕立てたつもりだが、さて、どんなものだろうか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-02-15 20:00:00
21222文字
会話率:23%
メリダにあるユカタン大学に留学している田中という学生を主人公にしている。田中には恋人・順子がいるが、順子はメキシコシティの大学に留学しており、遠距離恋愛はままならないものである。二人の共通の友人、睦美から順子が日本に帰ったら、結婚するという
話を聞いた田中は絶望する。そして、田中はかねてから、憧れていたマヤ文明の有名な遺跡、パレンケ遺跡で自らの命を断とうと思っていた。パレンケでメキシコシティで開業している医師のマルホ一家と巡り合う中で、田中の死への思いは徐々に消えていった。いつの時代でも、多感な若者の悩みは尽きない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-02-08 20:00:00
11409文字
会話率:44%