その世界はかつて科学の大文明であった。
長い時の中で進歩し続けた結果、科学の一部である化学の分野から新たな力が生まれた。しかしその力は、当時の人々にとってあまりに魅惑的なものであったが故に、科学者たちが否定し続けてきた魔法と呼ばれることにな
る。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-01 22:00:00
41236文字
会話率:46%
月夜の光に照らされ、どこか儚さを感じさせる艶やかな黒髪を持つ少女、時雨しぐれ。細く、長い手足に白く麗しい肌を持つ見目麗しい孤高の存在。凹凸のない胸部だけが非常に残念で——
「べくしゅんっ!! うぅ、誰か噂してるわね……もしくは風邪かしら…
…」
「刀が風邪なんか引く訳がないだろ。それに馬鹿も引かんらしいから病気ではない。安心しろ」
「おぉぉん!? 喧嘩売ってますぅ!? 馬鹿じゃないですし、人化してる時はか弱い女の子なので風邪ぐらい引きますぅ!!」
遠い昔、異世界からの来訪者と共にこの世界に持ち込まれた武器、刀。そしてこの黒髪の少女こそ、刀の精霊であった。
更に時雨は長年の月日の経過により、自らの意思で人化を可能とし、精霊としてより上位に位置する聖霊と称される存在にクラスアップしていた。
そんな神秘的かつ、霊験あらたかな存在である刀の聖霊に向かって盛大なディスを述べた少年、ハヤテは、その腰に添えられた漆黒の鞘から白銀に光る刃を抜き出して構え、リズミカルに一定の音を立て、先程狩ったウサギの肉を刻み——
「ってちょっと!? 私の本体を包丁代わりに使わないでって言ってるでしょ!? 由緒正しき刀なんだからね!?」
「さっきから五月蠅いな……安心しろ、まな板が良く似合ってるぞ」
「酷い嫌味!? てか何処を見て言ってるの!? せめて刀を見て言いなさいよ! 私のおっぱいはしっかり膨らんどるわっ! このエセ魔法使い!」
ハヤテが調理に使っている刀、それはかつて魔王をも切り裂いた名刀【時雨】先程からやかましい少女の本体でもある。
「エセではない。立派な魔法使いだ」
「そんなスリムマッチョな体して刀ぶら下げてる魔法使いなんぞ見た事ないわよっ!! てかそれ以前に初級火炎魔法しか使えない魔法使いなんていないから!!」
初級火炎魔法……奥様ご愛用の火種魔法に位置づけされる魔法。そのような便利魔法しか使えないのに世界一の魔法使いを目指す本職剣士のハヤテと、聖霊と称しているが全く神聖さが無く、その上落ち着きもない、ぺちゃぱいの少女、時雨しぐれ。
「くしゅっ! くしゅっ……ぶあっくしゅぅぅ!! うう、やっぱ絶対誰か噂してるわ……」
これはそんなどちゃくそやかましく、忙しない聖霊、時雨と魔法使いを名乗るのに、初級火炎魔法しか使えない剣士ハヤテが世界を救う物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-14 17:24:41
293338文字
会話率:45%
友人二人が魔法少女だった。私は仲間はずれ?黒い気持ちが浮かん……だ瞬間になんか前世の記憶戻った。そんな訳で、エセ魔法少女、はじめました。
最終更新:2015-11-02 03:06:57
5220文字
会話率:22%