『スーパー大器晩成』――。
いつかは信じられないぐらい強くなるが、それまではひくほどにクソザコ。
そんな恩恵(ギフト)を与えられた、イルヴィス・スコードという男がいる。
一向に強くなる気配もなく、気付けばそのまま35歳。
周りか
ら嘲笑され、パーティからも見放され、やっと遅咲きの力が目覚め始めたのは、冒険者としての意気も失った後のことだった。
まぁそれならそれでと力を使ってのんびり生きてこうとするイルヴィスに、何故か懐いてくる冒険者の少女たち。
強い少女に取り入った情けないヤツだと人々は言うだろう。
だが彼らは知らないのだ。
――やがてイルヴィスが、勇者すらも超える『最強の後見人』となっていくことを。
そんな彼を、少女たちは常々「一緒に勇者を目指そう」と誘うのだが……。
いろいろと思うところがあるイルヴィスは、決まってこう返すのだ。
「勇者になるには遅すぎる」
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-09 13:16:04
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