街で一番の天才剣士だったアルバート。
しかし彼は五年前、前触れなく剣を扱うことが出来なくなってしまった。
それでも鍛錬を続けていたところ、藁にも縋る気持ちでたどり着いた洞窟で『ひのきのぼう』を手にする。
だがアルバートは知らなかった。ひのき
のぼうには、美少女の人格が宿っていたことを。
「妾はお主が今しがた抜いた木の棒の――『ひのきのぼう』の人格じゃ」
「ひのきのぼうの……人格ぅ?」
「左様。ひのきのぼうは聖剣じゃからな!」
「棒なのに?」
「む? じゃあ聖棒じゃ!」
「なんか適当だなおい……」
――かくして、かつて天才の名をほしいままにした剣士と、ひのきのぼうの人格を名乗る謎の美少女との大冒険が幕を開ける。
(タイトル変更しました。元タイトル『剣が振れなくなった天才剣士、『ひのきのぼう』を手に入れる』)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-12-10 18:00:00
62406文字
会話率:39%