かつて、世界は燃えた。
第三次世界大戦──大規模な核戦争によって、人類のほとんどが失われてから約80年。文明は風化し、かろうじて生き残った人々は「群れ」と呼ばれる集落で小さく暮らしている。
琵琶湖のほとりの村に暮らすアーロル、メイト、アス
ロンの三人は、ある日ふと村を離れ、旅に出ることにした。
目的地はない。ただ、アーロルは本で読んだ世界を確かめたくて。メイトは面白そうだから。アスロンは二人が行くから。
まだ電車が動く地域もあれば、電波塔が鳥の巣になっている地域もある。
滅びかけた文明の跡をめぐり、三人は今日も歩く。静かな風と、ささやかな会話を連れて。
これは、「世界のあと」を旅する、三人の物語。
それでも生きて、笑うための旅。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-08 11:20:59
14102文字
会話率:41%