これは―――全てを失った勇者と、全てを失くした少女の物語。
以前追放したパーティーメンバーとの決闘に敗れ、勇者の称号も何もかも全てを失ったラトルは自暴自棄になり、ふらふらと町中を彷徨っていた。
そんな時、チンピラに絡まれあしら
う気にもならなかったラトルはされるがままにボコボコにされ、一頻り殴られたラトルは、身ぐるみを奪われ冷たい路地に打ち捨てられる。
冷たい地面に蹲り、己の不幸を呪いながら涙していると―――
「泣か、ないで」
そんな彼に手を差し伸べる薄汚れた小さな手が、ラトルを救ったのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-19 19:00:00
2808文字
会話率:10%