目的のアパートに向けて駐車場横の路地を曲がった途端、後ろからむんずと襟首を引っ張られた。思わずよろめく。身体のバランスが崩れ、倒れそうになった体勢を利用して首だけまわし、振り向こうとすると、
「おっと、こちらを向かないでください」
声が
かかった。
醒めた口調だ。襟元を押さえた手の力は強い。まるで空気がそのまま人の形になり、固化したような力強さだった。
「高久(たかく)さんですね? 塚本保険事務所、調査員の……」
「さあ」おれは答えた。なぜなら、ときどき自分でも確信がなくなるからだ。
「例の調査依頼から手を引いていただきたいのですが……」
相手はいった。きっと、おれの返事が聞こえなかったのだろう。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-17 12:23:57
30270文字
会話率:45%
年が明け、帰省を終えてアパートに戻る途中、改札口を出たところで恋人が待っていた。
「会いたくて三時間待っていた」なんて言う恋人にあきれつつも、由美は嬉しく思う。
プロポーズ直前の恋人同士の、ちょっと甘いひとコマです。
最終更新:2022-01-22 17:21:47
982文字
会話率:55%
「××しないと出られない部屋」に閉じ込められた主人公は、相手も同じ女子高生であることや部屋構成が稚拙であることから色々ガバガバなことに気付く。設計者に対しあきれつつも、二人で協力して脱出しようと試みる。
最終更新:2018-09-22 13:30:16
15607文字
会話率:53%
それなりに一流な企業の受付嬢の体験談を小説にしたものです。
彼女のニックネームは誰が付けたか『エロにゃん』。
彼女と仲良しであり、ライバルでもある作者が、彼女の悲しい過去に同情しつつ、また、信じられない体験談にあきれつつ書き綴りました。
最終更新:2010-11-06 17:52:46
14778文字
会話率:28%