「いいことなんて、何一つない人生だった。」
若くして死んだ最初の人生と、生まれ変わった二度目の人生と。
そのどちらともで満たされることのなかった少女、アーシャ。
転生前の様々な知識と価値観はむしろ足かせとなり、どうにもままならない生活を送
っていたところに、更なる苦難が降り注ぐ。
少し人より知識があるだけで魔女扱いされた挙句に、最後には魔王の生贄として送られる始末。
もう、いっそ一思いに殺して欲しい。
そう、思っていた。
だが、魔王の国は想像とはまるで違っていて。
ぎこちなくも暖かく、彼女を迎え入れてくれた。
もしかして。
ここでなら私、生きていてもいいの?
そんなことを、思ってしまう程に。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-03-17 12:00:00
10921文字
会話率:18%